犬の宮由来紀
昔(和銅年間の頃)この高安村は毎年春秋の二回、都の役人に人年貢を差し出すことになり、村人が難渋していました。 ある時、道に迷った旅の座頭が一夜の宿を乞い、村人から不思議な年貢取り立ての話を聞き及び、何物かの仕業と推察、村人に悪魔対策の策を授け座頭は村を去りました。 村人達は早速役人を酒席に招き、甲斐の国から借りてきた 三毛犬 四毛犬を放ったところ、大乱闘の末倒されたのは役人ではなく、二匹の大狸と多数の荒狸であり、傷ついた二匹の犬も間もなく死んでしまいました。 この村の大難を救ってくれた二匹の犬を村の鎮守とせよ、との座頭のお告げにより、崇め祭ったところ、この里は難産もなく、生まれる子供は無難に育ち、村が栄えたといいます。 又、この地に生息した高安犬は強い耐久力と激しい闘魂を持つ優秀な狩猟犬として有名である(戸川幸夫「高安犬物語」) 平成6年1月 高畠町 高畠町観光協会 |