猫の宮は犬の宮のすぐそばに、桜や鈴蘭に囲まれて建っていました。
こちらは古いままだからでしょうか。
写真の数が半端ではありません。
こんなふうにびっしりと。
そしてまた、猫のための水や餌、寝床などもきれいに整えられています。
猫の宮由来紀


延歴年間の頃(和銅より約70年後)この村に信心深い庄屋夫婦がいた。二人には子がなく、丈夫な猫が授かるよう祈っていた。
ある夜、観音様が夢枕に立ち「猫を与えるから大切に育てよ、さすれば村中安泰、養蚕が盛んになる」とお告げがあり、授かった猫に「玉」と名付け大変可愛がり丈夫に育てたが、歳月が経つに従い、不思議なことにどこに行くにもそばを離れず、何物かを狙うが如く睨み据え、その異常さに思いあまった主人は、ある日隠し持った刃で切り捨てた。
 ところが猫の首は天井裏に飛び隠れていた大蛇の首に噛みつき殺してしまった。
大蛇は昔、犬に退治された古狸の怨念の姿であり、猫は(観音様の化身)庄屋夫婦を守るための振る舞いだったのです。
村人は庄屋を救った「玉」をねんごろに葬り観音堂を建てその供養を行い、恩徳を偲び「猫の宮」と称した。
以後村人は猫を大切に育て、養蚕が盛んになり、安泰な生活が続いたという。
(清松院縁起聞伝書による)

昭和53年6月 高畠町 高畠町観光協会

お堂の裏手にはお腹の大きな猫が昼寝をしていました。
近づくと目を開けましたが逃げる気配は全くなく、
たぶん野良だとは思うのですが、猫たちは全員おっとりしていて満ち足りているように思えます。
世話をされ、大事にされているのがよくわかりました。
伝説が今でも生きているんじゃないかと思うほどに。

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